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広〜い北海道に牛豚肉でおなじみの興農ファームを訪ねました!
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この秋、自然と健康を守る会では二つの生産者訪問ツアーがありました。9月10〜12日には初めての北海道ツアーで興農ファームを訪ねました。そして、10月7〜9日には毎年恒例の稲刈りツアーで青森県の(旧)ときわ村に太陽米の生産者とリンゴ生産者の竹嶋農園を訪ねました。
広大な大地の自然と味覚を満喫した北海道ツアー
27人が参加した北海道ツアーでは、2日目に牛肉と豚肉でおなじみの興農ファームを、3日目には太陽食品で扱っているホタテ貝の生産地常呂町を訪ねました。また知床半島から北方領土を眺めたり、アイヌの文化に触れたりと観光も楽しみ、北海道の自然と味覚を満喫しました。

酵母菌の働きを生かした興農ファーム


普通、動物を飼育している小屋では糞尿混じりの鼻に付く臭いが漂ってきますが、興農ファームではまったく臭いがしません。ヌカ漬けのような香りがするだけです。これは酵母菌の働きが活発なため、悪臭の元になる腐敗菌が発生しないからです。ここでは抗生物質やホルモン剤などの薬漬けとは無縁で、動物たちが生き物本来の姿でのびのびと健康に育っていました。

ホタテ貝が育つ流氷の常呂町


春に採ったホタテの稚貝は結氷したサロマ湖の底で越冬し、翌春、遠くロシア大陸から届く流氷の運んだプランクトンが豊富なオホーツク海に放流されます。そして4年後水揚げされ、私たちの食卓に届けられるのです。ツアー参加者一行は、サロマ湖を眺め、ホタテ漁の船を車窓から見学しました。

身土不二の精神で生き物の命を育てる 興農ファーム代表取締役 本田廣一さん

興農ファーム代表取締役 本田廣一さん興農ファーム概要
昭和51年興農塾の名で牧場開設。昭和63年に法人化、興農ファーム設立。現在120ヘクタールの規模で牛約1650頭、豚約60頭等を飼育。敷地内で自家製堆肥で牧草や農作物等を有機栽培。未去勢、国産餌、発酵菌の活用で薬を使わない健康な畜産を実践。

動物本来の姿で育てる


一般的な日本の牛肉は、ホルモン剤を投与した去勢雄牛を22〜24ヶ月で仕上げています。うちの牧場では去勢もホルモン剤投与もせず、肉質がやわらかい15〜16ヶ月で出荷します。未去勢牛は日本ではうちだけですがヨーロッパでは普通に市場に出ています。食べてみても何の問題もない。しかし、日本ではサシ神話があり「脂が付いていないと牛肉ではない」といわれます。
なぜ去勢しないか? それが牛本来の姿だからです。オスの肉は「硬い」「臭い」「黒い」といわれますがそんなことはありません。実験的に帯広の焼肉店で出してみたら「おいしい」「やわらかい」と好評でした。
たいていの業者は抗生物質を使うため、肉にシマリがなくなり、肉汁が全部出てしまう。その点うちの肉は違います。牛の本来持っている生理機構そのままです。そして国産の餌にこだわっているのもおいしさの秘訣です。
豚も基本的には放牧し、そして噛める餌を与えています。噛むことによって唾液が出て、舌下ホルモンが働き、唾液が細菌を殺します。
動物の免疫機構はまず口の中、次に胃、最後に大腸という3つのバリケードがあります。ところが最近の餌は粉状のものが多い。確かに消化が良く早く太りますが、免疫が働きにくいためすぐに病気になります。だから、最初から抗生物質を投与して病気を防ぐというのが一般的なやり方です。しかし、興農ファームでは内臓を健康にすることで免疫力を高め、病気を防いでいます。

餌は90%国産で


興農ファームの餌は90%国産です。私はコスト的にも飼料の国産化は可能だと思い、農水省にも働きかけているところです。「日本の農業を守ろう」といいながら、餌を輸入しているのでは国産の畜産とはいえません。
身土不二、地産地消、命の転生という言葉があります。何千年もの歴史の中で、僕たちには「地場のものを食べるのが一番おいしい」という遺伝子の記憶があると思います。また、豚を食べるということは、豚が食べた植物の命が豚の中で転生し、その豚を食べた人間の中に豚の命が転生する、ということなのです。

善玉菌の繁殖で内臓まで健康に


餌は北海道産のジャガイモの皮、でんぷん糟、屑小麦、屑豆、稲わら、籾わら、ピートパルプなどを主体に、多孔質で整腸作用、微生物繁殖作用のある炭と石垣島から取り寄せたミネラルたっぷりの廃糖水なども加え、半年かけて発酵させて作ります。餌だけでなく、畜舎内には発酵させた堆肥を敷き詰めて、酒蔵や味噌蔵のように酵母菌が棲み付き、外部からの有害菌が入り込むすきのないような環境づくりを行っています。
敷きわらは畜舎の入れ替えのときに出して切り返して発酵させてからまた戻し、捨てることなくリサイクルします。牛・豚の糞尿はタンクに入れ、エアレーション(空気を入れて攪拌)をかけて無菌状態にして発酵させて、アトピーの治療や仔牛のミルクに入れたり、畑の液肥としても使います。畜舎のそうじに使った水もタンクに集めてエアレーションをかけて再利用します。このように敷きわらから糞尿まで捨てることなくすべてを循環させています。
興農ファームの牛・豚は酵母菌のおかげで内臓まで健康です。ですから、内臓も加工して商品化しています。一物全体といいますが、内臓まですべてを無駄にせず食べることが、人間に命を捧げてくれた動物への恩返しでもあります。


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